オニオン 〔玉葱(たまねぎ)〕
<芳香性スパイス>
☆特徴☆
オニオンは通常、野菜として扱われていますが、
芳香性スパイスとしても利用されます。
刺激臭と辛味が特徴です。
加熱することで甘味が出ます。
オニオンはユリ科の二年草です。
栽培には球根を使う方法と種をまく方法がありますが、
通常は種をまく方法が使われています。
アメリカ、インド、中国、日本、中東、東ヨーロッパなどで生産されています。
球根の部分を生のまま、もしくは乾燥粉末にして使用します。
オニオンはその辛味の度合いによって甘タマネギと辛タマネギの2種類に
分類されます。
さらに色によって黄色種、赤色種、白色種の3種類に分類されます。
日本で生産されているのは、ほとんどが辛タマネギの黄色種です。
☆歴史☆
オニオンの原産地は中央アジアです。
古代エジプトでは第1〜第2王朝時代(紀元前3150〜前2686年)の
墳墓の壁画に描かれいます。
また、ピラミッド建設に携わる労働者にガーリックとともに
与えられていたとの記録があります。
ヨーロッパでは、ギリシアでは紀元前10〜前8世紀、
ローマでは前5世紀頃から栽培されていました。
アメリカ大陸には16世紀にスペインから持ち込まれ ました。
日本では1627〜31年に長崎で栽培された記録がありますが、
この時は定着しませんでした。
本格的な栽培は1871年(明治4年)に北海道で始められました。
一般的に普及するのは明治時代後半になってからでした。
☆料理☆
オニオンはそのままではほとんどにおいがありませんが、
切ったりつぶしたりすることで刺激臭と辛味のある
二硫化プロピルアリル、硫化アリルなどの成分が発生します。
これらの辛味成分は加熱するとプロピルメルカプタンという
砂糖の50倍もの甘味を持つ成分に変化します。
このためオニオンは辛味と甘味の二通りの使い方ができます。
オニオンは様々な料理、特に西洋料理では欠かせないものとなっています。
カレーやシチューでは、みじん切りにして弱火で長時間かけて炒めたものを
加えることで、甘味とうまみが引き立ちます。
肉料理や魚料理では生臭さを押さえる効果があります。
薬用としては血栓を予防し、コレステロール値を下げ、
血液をサラサラにするなどの効果があると言われています。
オニオンを犬や猫などに食べさせると、
成分に含まれる有機チオ硫酸化合物という物質が中毒を引き起こし、
血液中の赤血球が破壊されて死ぬことがあります。
ペットには食べさせないよう気をつけましょう。
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