ジンジャー 〔生姜(しょうが)〕
<辛味性スパイス>
☆特徴☆
ジンジャーは甘く清涼感のある芳香と、さわやかな辛味が特徴のスパイスです。
ジンジャーはショウガ科の多年草で、根茎を根分けして栽培します。
インド、東南アジア、中国、アフリカ西部、中央アメリカ、
日本、西インド諸島など世界各地で生産されています。
スパイスとして使用されるのは根茎の部分です。
この根茎を生のまま使用する場合と、乾燥粉末にして使用する場合があります。
日本やインド、中国など栽培の盛んな地域では生のまま使う場合が多いのですが、
欧米では乾燥粉末を使用します。
乾燥させると芳香は弱くなります。
☆歴史☆
ジンジャーはインド原産とされていますが、野生種は発見されていません。
インドや中国、東南アジアなどでは有史以前から栽培されていました。
日本でも「魏志倭人伝」や「古事記」にジンジャーについての記載があることから、
かなり古い時代に伝来していたと考えられます。
縄文時代に既に伝来していたとする説もあります。
ヨーロッパでは1世紀のローマの書物、ディオスコリデスの「薬物誌」に
ジンジャーについての記載があります。
この書物にはジンジャーが「主にエリトリア(アフリカ北東部紅海沿岸の国)と
アラビアで産す る」と書いてあります。
この時期 には既に中東地域での栽培がはじまっていたようです。
15世紀末に西洋人がアメリカ大陸に到達すると、
ジンジャーはすぐに西インド諸島に移植され、
16世紀半ばには西インド諸島からヨーロッパへ輸入されるまでになりました。
☆料理☆
ジンジャー様々な料理で幅広い活用方法があります。
カレーでは他のスパイスと併せて全体の風味付けや、
肉などの下味付けに使用します。
日本料理ではおろしショウガを薬味として様々な料理に使用します。
すしのつけ合わせのガリ、牛丼やソース焼きそばなどの薬味の
紅ショウガなどもあります。
薬味としてだけではなく、魚介類のにおい消しや肉の味付けにも使用されます。
中華料理でも基本的なスパイスとして多くの料理に使用されます。
西洋料理では菓子類などの甘みのある料理によく使われます。
ジンジャーの辛味が砂糖のしつこい甘さを抑えてさわやかな風味になるためです。
ジンジャーエールなどの飲料にも使われます。
またジンジャーは食用としてだけでなく、古くから薬としても使われています。
薬用としては発汗、健胃、止嘔などの効果があるとされています。
体を温める効果もあるので、
日本では昔から生姜湯を飲むと風邪の予防になると言われています。
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