陳皮(ちんぴ) 〔ミカンの皮〕
<芳香性スパイス>
☆特徴☆
陳皮とは日本産の温州ミカン(うんしゅうみかん)の皮のことです。
当然ですがミカンの香りがします。
中国で陳皮と呼ばれているものは中国産の柑橘類を使っています。
温州ミカンはミカン科の常緑樹です。
日本の愛媛県、和歌山県、静岡県など関東以南の各地で生産されています。
スパイスとしては果実の皮の部分を日陰で乾燥させたものを粉末にして使用します。
家庭でも簡単に作ることができます。
☆歴史☆
ミカンの原種とされる野生種の柑橘類はインド原産とされていますが、
陳皮として使われている温州ミカンの原産地は日本です。
中国では紀元前から野生種の柑橘類を品種改良し、
いくつかの栽培種を作り出していました。
それらの栽培種は古くから日本に持ち込まれていました。
日本で最初に作られたミカンは紀州ミカンという品種です。
これは12〜13世紀頃に中国産の柑橘類(小ミカン)が肥後(熊本県)に伝わり、
それが紀州(和歌山県)に移植されて産業として発展したことから
「紀州ミカン」の名が付けられたと言われています。
この紀州ミカンは現在のミカンより小さく、種が入っていました。
温州ミカンは16世紀頃の薩摩(鹿児島県)で、
中国から持ち込まれた柑橘類が突然変異を起こして発生し た品種です。
中国の柑橘類の産地として有名な浙江省の温州にちなんで
「温州ミカン」の名が付けられました。
これが現在の種の入っていないミカンです。
江戸時代では「種なし」なのが不吉とされ普及しませんでしたが、
明治時代以降は食べやすいことから一般的になりました。
☆料理☆
陳皮は日本ではカレー粉の原料として使われています。
他には七味唐辛子や菓子類のトッピングなどにも使われます。
薬用としては健胃、止嘔、去痰などの効果があると言われています。
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