ナツメグ/メース 〔肉荳騨(にくずく)〕
<芳香性スパイス>
☆特徴☆
ナツメグ(写真左側)とメース(写真右側)は、
甘く刺激的な芳香が特徴のスパイスです。
インドネシア、グレナダ、スリランカなどで生産されています。
ナツメグとメースはどちらも、ニクズク科の常緑樹の
ニクズクの果実から作られます。
この果実の中には、鮮やかな赤い網目状の仮種皮に包まれた
黒褐色の殻が入っています。
この仮種皮がメースで、仮種皮をはがして殻を割った中にある種子がナツメグです。
メースの方が刺激が少なく上品な香りなので、メースの方が上等とされています。
☆歴史☆
ニクズクの原産地はインドネシアのモルッカ島です。
ナツメグが使用されたもっとも古い記録は、
インドのバラモン教の聖典「ヴェーダ」に見ることができます。
これには紀元前1000年頃に頭痛、熱病、整腸、口臭消しなどの薬として
使われていたことが記されています。
日本でのナツメグに関するもっとも古い記録は、
15世紀に書かれた「撮壌集」という書物の中に記されています。
☆料理☆
ナツメグとメースは風味が似ているため、ほぼ同じ用途に使われます
肉の臭い消しとしての効果が高いので肉料理によく使 われます。
特にハンバーグ、ロールキャベツ、メンチカツ、
ミートソース、キーマカレーなどの挽肉料理に使うと効果的です。
また甘い香りがあるためドーナツ、パイ、プリン、
ケーキ、クッキーなどの菓子類にもよく使われます。
薬用としては収斂、止寫、健胃などの効果があると言われています。
ナツメグは一度に大量に摂取すると中毒を引き起こし、
痙攣、嘔吐、酩酊、幻覚、などの症状が出ることがありますので、
使いすぎに気をつけましょう。
適量は肉1kgに対しナツメグ0.2g程度です。
中毒は成人の場合5〜15gくらいで発生するようです。
(ホール一個で4〜5g、スーパーで売っている
粉末の小瓶ひとつで15〜40gくらいです)
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