北インド
☆概要☆
インドは南部と北部とでは、気候も住んでいる民族も違います。
このためカレーについてもそれぞれ違った特徴を持っています。
北インドの住民はインダス文明以降にインドに移住してきた
アーリア系の民族が多数派です。
また、中世にはイスラム勢力の支配を長く受けていました。
このため、北インドの料理は中央アジアや中東の料理の影響を強く受けています。
パキスタンやネパールも北インドに近い食文化を持っています。
北インドのカレーは日本のカレーと違い、カレー粉は使いません。
多くの種類のスパイスを調理する都度、必要なものを組み合わせて使用します。
このため、カレーの種類によって違った風味になります。
北インドのカレーは肉のカレー、野菜のカレー、豆のカレーというように、
一度に何種類かのカレーを作り、一緒に食べるのが一般的です。
日本のインド料理店では、この北インド料理を扱っている店が多数派です。
☆味付け☆
北インドのカレーはスパイスの風味は強めですが、
南インドに比べて辛さは控えめです。
それでも、一般的な日本のカレーよりは辛いものが大半です。
よく使われるスパイスはクミン、ターメリック、ブラックペッパー、
コリアンダー、ガーリック、ジンジャー、シナモン、クローブなどです。
乳製品もよく使われています。
南インドや東南アジアでよく使われているココナッツミルクはあまり使いません。
☆食材☆
肉は羊肉と 鶏肉が一般的です。
牛はヒン ドゥー教で神聖な動物とされているので、
ヒンドゥー教徒は牛肉を食べません。
豚はイスラム教で不浄な動物とされているので、イスラム教徒は豚肉を食べません。
肉以外では、豆類がよく使われます。
☆主食☆
主食は小麦粉で作られたパン類が主流です。
インドのパン類といえば日本ではナンが有名ですが、
インドの一般家庭ではナンを焼くために必要なタンドールがない場合が多いため、
鉄板やフライパンで手軽に焼けるチャパティのほうが一般的です。
☆調理法の例☆
まずクミンを油で炒めます。
次にみじん切りにしたタマネギとガーリック、ジンジャー、
その他のスパイス類を加えてさらに炒めます。
その後具を入れて煮込みます。
十分煮えたら、最後にガラムマサラで風味を整えてできあがりです。
煮込むときにヨーグルトを入れることもあります。
高級なカレーでは具とは別にストック(出汁)を取る場合もあります。
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