クミン 〔馬芹(ばきん/まきん/うまぜり)〕
<芳香性スパイス>
☆特徴☆
クミンは独特の強い芳香(いわゆる「カレーの香り」です)が特徴のスパイスです。
辛味と苦味も若干あります。
種子の形状が似ていて分類上も近縁なキャラウェイとよく混同されますが、
風味は異なります。
クミンは セリ科の一年草です。
北アフリカ、地中海沿岸、中東、インド、アメリカなどで生産されています。
スパイスとして使用されるのは種子の部分です。
この種子を乾燥させたものをそのまま、もしくは砕いて使用します。
☆歴史☆
クミンの原産地はエジプトです。
古代エジプトでは古くから知られており、
食用以外にもミイラの防腐剤としても使われていました。
紀元前1400年頃のミケーネ文明でも使用されていた形跡があります。
聖書の「マタイ伝」や「千夜一夜物語」にも記載されています。
インドでも紀元前から使われていました。
日本へは19世紀前半に伝来しました。
ヨーロッパでは、クミンが恋人の心変わりを防ぐと信じられていました。
このため、騎士が戦場へ行くときに恋人の浮気を防ぐお守りとして身につけたり、
結婚式の時ポケットに忍ばせておく習慣がありました。
☆料理☆
クミンはインド料理によくつかわれます。
単独で使うほか、ガラムマサラの原料にもなります。
使う前に炒ると いっそう香り高くなります。
クミンはカレーを作る上で重要なスパイスです。
カレー粉の主成分でもあります。
カレー以外では、メキシコ料理でつかうチリパウダーの原料にもなります。
また、トルコ料理、スペイン料理にもよく使われます。
薬用としては健胃、整腸、鎮痙、鎮静などの効果があると言われています。
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