スパイス チリペッパー 唐辛子

カレー雑学大百科 http://ww.zero-yen.com/

☆スパイス・ハーブ図鑑☆

トップ スパイス・ハーブ図鑑 > チリペッパー


チリペッパー 〔唐辛子(とうがらし)、レッドペッパー〕
<辛味性スパイス>


チリペッパー


☆特徴☆

チリペッパーは強烈な辛味が特徴のスパイスです。
この独特の辛味はカプサイシンという物質によるものです。
香りはほとんど無いか、少し甘酸っぱい芳香があります。

チリペッパーはナス科の一年草または多年草です。
インド、メキシコ、アメリカ、中国、日本、韓国、東南アジア、アフリカなど
熱帯から温帯の世界各地で生産されています。

スパイスとして使用されるのは果実の部分です。
この果実を乾燥させたもの、または生のままで使用します。

チリペッパーは色や形、辛さなどによって数百〜数千種類もの品種に分類されます。
代表的な品種はハバネロ、カイエンヌ、タバスコ、
ハラペーニョ、ガンドウ、プリッキーヌ、鷹の爪などです。
中にはピーマンのように全く辛くないものもあります。

チリペッパーには、その辛さを示すスコヴィル値という単位があります。
この数値が高いものほど辛くなります。
現在世界でもっとも辛い品種とされているハバネロのスコヴィル値は
約300,000度です。
カイエンヌが約100,000〜105,000度、タバスコが約30,000〜50,000度、
ピーマンが0度です。

チリペッパーは同じ品種でも、温暖な気候で栽培されたものの方が
辛く なる傾向があります。
例えば、 日本と韓国で同じ品種のチリペッパーを栽培しても、
日本の方が温暖なために日本産の方が辛くなります。


☆歴史☆

チリペッパーは熱帯アメリカ原産です。
もっとも古いチリペッパーはメキシコのティオテワカンの
紀元前6500〜前5000年頃の遺跡から出土しています。
このチリペッパーは野生種に比べて果実と種子が大きく、
すでに栽培種が開発されていたことを示しています。
西洋人がアメリカ大陸に到達するまでは、
メキシコ南部からコロンビア北部の地域で栽培されていました。

ヨーロッパにチリペッパーが持ち込まれたのは、
クリストファー・コロンブスが1492年にアメリカ大陸に到達し、
翌年チリペッパーをスペインに持ち帰ったのが初めてでした。

ヨーロッパでは南部の地中海沿岸地域では普及しましたが、
それ以外の地域では強い辛味が好まれなかったため、
あまり受け入れられませんでした。
後に辛味のほとんど無い品種のパプリカが作られ、
着色性スパイスとして用いられるようになりました。

ヨーロッパに伝来したチリペッパーは16世紀になると
アジアやアフリカなどの世界各地へ広まっていきました。
特に南アジアや東南アジアでは元々辛いものを好む食文化があったので、
チリペッパーは急速に普及しました。
そしてインド料理やタイ料理、韓国料理などのように、
各地の食文化に劇的な変化をもたらしました。

日本への伝来についてはいくつかの説がありますが、代表的な説は次の2つです。
1つ目は1542年にポルトガル人宣教師が大友義鎮に献上したとの説、
2つ目は1592〜96年の文禄・慶長の役(豊臣秀吉による朝鮮出兵)で、
日本軍が朝鮮から持ち帰ったとする説です。

但し現代の韓国では、チリペッパーは日本から朝鮮に伝わったというのが
定説になっており、17世紀の朝鮮ではチリペッパーが日本の辛子という意味の
「倭芥子」という名で呼ばれていたこともあったようなので、
1つ目の説の方が信憑性が高いと思われます。

1542年といえば、コロンブスがアメリカ大陸に到達したわずか50年後なので、
この伝来の早さには驚かされます。


☆料理☆

チリペッパーはカレーの辛さを決める上で最も重要なスパイスです。
チリペッパーを入れる量によって辛さを調節します。
インド料理では様々な品種のチリペッパーを用途に応じて使い分けています。

タイ料理では生のチリペッパーを大量に使うので、
世界でもっとも辛い料理として知られています。
トムヤムクンが有名です。

中華料理でも麻婆豆腐に使う豆板醤を初めとして、多くの利用方法があります。
特に四川料理ではチリペッパーを多用します。

韓国料理でもキムチを初めとして、
多くの料理にチリペッパーはなくてはならないスパイスです。

原産地の中南米でもチリペッパーは広く使われています。
チリコンカーンなどに使うチリパウダーやサルサが有名です。

日本料理では七味唐辛子がそばやうどんなどの薬味として使われています。
また、大根とともにすり下ろした紅葉おろしも鍋物や魚料理に使われています。
他にも辛子明太子が有名です。

チリペッパーの辛味成分カプサイシンは薬用として健胃、発汗などの
効果があると言われています。
タイやインド南部のような暑い国で
チリペッパーがたくさん入った料理を食べるのは、
汗をかくので涼 しく感じられるためだそうです。

また、末梢血管を拡張し血行を良くする効果もあるので、
温湿布などにも使われます。
寒冷地では靴下の中に入れておくと足の血行が良くなるため、
しもやけや凍傷の予防になります。

他にも、脂肪の新陳代謝を促進させて肥満を防ぐ効果があると言われています。

トップ スパイス・ハーブ図鑑 > チリペッパー
メニュー

カレー雑学大百科・トップ
 │
 ├ カレーの歴史
 │ ├ カレーの誕生
 │ ├ 大航海時代とスパイス貿易
 │ ├ 西洋人とカレーの出会い
 │ ├ 日本人とカレーの出会い
 │ ├ 日本でのカレーの普及
 │ ├ 戦争の時代
 │ ├ 戦後〜80年代
 │ └ 90年代〜現代
 │
 ├ 世界のカレー
 │ ├ 北インド
 │ ├ 南インド
 │ ├ タイ
 │ ├ ヨーロッパ
 │ └ 日本
 │
 ├ 用語辞典
 │ ├ あ〜か行
 │ ├ さ〜た行
 │ ├ な〜は行
 │ └ ま〜わ行
 │
 ├ スパイス・ハーブ図鑑
 │ ├ アジョワン
 │ ├ アニス
 │ ├ オールスパイス
 │ ├ オニオン
 │ ├ オレガノ
 │ ├ ガーリック
 │ ├ カルダモン
 │ ├ キャラウェイ
 │ ├ クミン
 │ ├ クローブ
 │ ├ コリアンダー
 │ ├ サフラン
 │ ├ シナモン
 │ ├ ジンジャー
 │ ├ スターアニス
 │ ├ セージ
 │ ├ セロリシード
 │ ├ ターメリック
 │ ├ タイム
 │ ├ チリペッパー
 │ ├ チンピ
 │ ├ ディル
 │ ├ ナツメグ/メース
 │ ├ パプリカ
 │ ├ フェネグリーク
 │ ├ フェンネル
 │ ├ ベイリーフ
 │ ├ ペッパー
 │ ├ マスタード
 │ └ レモングラス
 │
 ├ カレーレシピ
 │ ├ インド風チキンカレー
 │ ├ キーマ・マタール
 │ ├ 和風ポークカレー
 │ ├ 欧風ビーフカレー
 │ ├ スープカレー
 │ ├ ドライカレー
 │ ├ ターメリックライス
 │ ├ サフランライス
 │ ├ チャイ
 │ └ ガラムマサラ
 │
 ├
 │
 └

Copyright (C) 2005-2018. All Rights Reserved.

[PR]動画